性能はブースト圧で決まる

 
ターボ車は簡単にパワーアップできる非常のありがたい車ですが、そのパワーはブースト圧によって生み出されています。
ブースト圧はタービンの大きさやインペラーの形状、A/R比などによって大きく左右されるのですがそれは最大ブースト圧というものであって、タービンがフルに活動しているときの話です。

通常、ターボ車は搭載しているタービンが発揮できるブースト圧よりもかなり低いブースト圧を使って走っています。
これは耐久性などを高めるためのマージンとして働いているのですが、パワーをもっと稼ぎたいという方はタービンが持っている性能をフルに使うブーストアップというチューニングを行います。

市販車のタービンには圧力で動くアクチュエーターが付けられており、その先には排気ガスを迂回させる通路のバルブがあります。
サージタンクからとった圧力をアクチュエーターに伝え、ある一定の圧力(ブースト圧)になるとアクチュエーターが稼働するようになっています。

それによって迂回路のバルブが開き、排気ガスをタービンから逃がすようにして、一定の最大ブースト圧というものを作り出しています。
ブーストアップというのはこのアクチュエーターに本来のブースト圧より低い圧力を与えて、疑似的にブースト圧があまり上がっていない状態に見せかけることで、アクチュエーターに圧力がかかっていなければ、迂回路のバルブは開かずにブースト圧は通常の状態よりも高くなるという事なのです。

使われるのはブーストコントローラーといわれる電子機器で設定したブースト圧になった時に初めて迂回路のバルブを開くようにアクチュエーターを操作するようになっています。
最近では市販車でも電磁ソレノイドを使ったブーストコントロールをしていますが、ブーストコントローラーはそのさらに上を行く精密な制御ができるようになっています。

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